いっぱいある米の品種 どれがいいの?
300種類以上ある米の品種。つや姫、青天の霹靂、ゆめぴりか・・・各県がこぞって新品種を出してくるお米戦国時代。当農園で栽培している品種をメインに、その特徴などを紹介します。
つや姫
食味 ★★★★★
外観 ★★★★★
粘り ★★★★★
やわらかさ ★★★★★
価格 ★★★★★★
栽培難易度 ★★★★
山形県が誇るブランド米。口に入れた瞬間に「ドン!」とくる粒の大きさ。噛めば噛むほど広がってくる旨味、甘み。他の産地が、つや姫に続けと新品種を出してくるのがよくわかります。お米界のシャネル。
栽培は簡単。と言いたい所ですが、ブランド維持のために生産が限定せれているので、栽培にあたり県の許可が必要です。栽培計画書、栽培履歴。減農薬栽培、肥料の量も制限。つまりは、きっちり確実な生産技術が必要です。その意味で難易度は4。
生産者としても高く売れるのでいっぱい作りたいのですが、県全体の生産量があるので栽培面積が増やせません。面積増加の希望をだしても「却下」です。もっと作らせてよ!
コシヒカリ
食味 ★★★★★
外観 ★★★★★
粘り ★★★★★
やわらかさ ★★★★
価格 ★★★★★
栽培難易度 ★★★★★
はい。みんな知ってるコシヒカリ。日本一の作付量です。コシヒカリといえば「新潟」のイメージですが、元々は福井で育成されたそうな。食味のコンテストなんかでも上位を占めているのはこの品種。お米界のロレックス。
栽培は難しい。丈が長いので、倒れます。倒れると稲刈りが大変。そこに台風なんて来た日には、土にめり込む場合あり。そうなると腐ります。
「じゃあ倒さなきゃいいべ?」
おっしゃる通りです。そのためには肥料を少なくすればいいのです。ですが、あまりにも倒伏にビビって肥料を少なくすると、収量が下がります。採算割れ。そのジレンマ。非常に米農家の腕を試される品種です。
はえぬき
食味 ★★★★
外観 ★★★★
粘り ★★★
やわらかさ ★★★
価格 ★★★
栽培難易度 ★★★
は、はえ・・・?
名前がいまいちな品種。ですが、山形県といえばこの品種が多く作付されています。20年以上連続で特A、優秀な品種です。
ネーミングも含めて、販売戦略がいまいちだったのでメジャーになれなかった。その反省をふまえて、つや姫の時は販売に力を入れたそうです。
このはえぬき、実は知らず知らずのうちに食べたことがあるはずです。値段も控えめなので、業務用として扱われる事が多い。コンビニのおにぎり、弁当など。食味も素晴らしいので、業者に人気があります。まさにお米界のユニクロ。
栽培は簡単。肥料こそ多く必要ですが、病気に強い、倒れにくい。収量安定。私も、半分ははえぬきを作付しています。これだけ安定して栽培できるので、堅実な経営ができます。ほんと優等生。
お手軽な価格で、いっぱいご飯たべたい!そういった方にぴったりな品種です。
ひとめぼれ
食味 ★★★★
外観 ★★★★
粘り ★★★★★
やわらかさ ★★★★
価格 ★★★
栽培難易度 ★★★★
いい名前ですよね。素敵。主に宮城、岩手がメインの産地です。
コシヒカリ系統の食味で、やわらかく、ふわっとしたお米です。価格帯もはえぬきと同じくらいなので、お求めやすい品種となってます。
栽培はやや難。いもち病という稲の代表的な病気にかかりやすい。欲張ってたくさん肥料をやると、倒れる、病気になる、痛い目にあいます。
ひとめぼれしてガツガツ行き過ぎたらフラれた。お米も同じ!やさしく相手を伺って、そっと栽培すると、素敵に振り向いてくれる品種です。
雪若丸
食味 ★★★★★
外観 ★★★★★
粘り ★★★★
やわらかさ ★★★
価格 ★★★★
栽培難易度 ★★★
平成30年デビュー、つや姫の弟分。なにやら強そうな名前です。
粒がしっかりしているので、カレー、寿司なんかにぴったりですね。
「あんまりもちっとした食感はすきじゃないなぁ」
そんな人には打って付け。つや姫までメジャーになれるか、期待大です。
栽培は、はえぬきのように作りやすい方です。ただ、デビューしたばかりなので、農家側も加減がわからない。目安通りに肥料をやったら収量がいまいちだったという人もいます。
農家と一緒にどんどん発展していけ雪若丸。
まとめ
以上、5品種の紹介でした。
まだまだある米の品種。同じ品種でも栽培している土地、炊飯器、水加減で無限の食感、食味があるわけです。これはもう宇宙。
自分の好みのお米を見つける手助けとなれば幸いです。
農家としても、喜んでもらえる米、頑張って作ります!