農薬ってなんですか?
虫も殺してしまう農薬。こんなの使った野菜をサラダで食べても大丈夫なの?
そういった不安は誰しもあると思います。そこで、今回は「農薬とはなんぞや?」をテーマに、理解を深めていってもらいたいと思います。
農薬の目的と定義
農薬取締法というものがあります。簡単に解釈すれば、
- 製造、輸入をする業者は、試験をしてデータを出して販売許可とってね。
- 販売と使用のルールをしっかり守って、農業生産の安定と国民の健康を保護します。
- 害虫、菌、ウイルスなどをやっつけます。成長を促す、発芽抑制、草を枯らすのも農薬ですよ。
農薬って毒じゃないの?
相手を選ぶ
祖父から聞いた話だと、昔の農薬は害虫だけではなく、川の魚まで死んでいることがあったそうです。皆殺し状態ですね。さて、今どきの農薬はというと、
「選択性」
ここが進化しました。
ナメクジに塩かけたらどうなりますか?→死にます。
人間に塩かけても死にませんよね。簡単に「選択性」を例えるとこうなります。
できるだけ害虫にだけ効いて、その他の生き物に影響がないようにする。それが今と昔の違いです。水田の防除をした後に、蜘蛛が元気に動き回っている。蜘蛛は害虫を食べてくれる益虫です。そんな光景を現場でも確認しています。
作物に残らないの?
残留農薬ですね。農薬のラベルの裏には、
「収穫○日前まで」
と使用期間が定められています。それを守れば基準値を超えません。
農薬を毎日、一生涯摂取したとしても健康に問題のない量です。
実際にあった出来事
野菜部会の圃場巡回をみんなでしていた時の出来事でした。JAの職員、県の営農指導の方、みんな聞き逃すはずもなく・・・ その人は1ヶ月も何もできず収穫が遅れてしまったのです。
農薬を買う・使用する前には必ず再確認が必要です。
農薬を使わないとどうなる?
収量が落ちます
りんごなどの果樹では8割もダウン。
家庭菜園したことある人ならピンとくるかもしれませんが、キャベツなんかすぐアオムシつきますよね。
この日本に住んでいて食べ物に困る事はありません。これだけ生産量が安定しているのは農薬があるからこそだと思います。
農薬の安全な使い方
- ラベルをよく読む 使用時期の理解
- 農薬の特性を理解し、無駄のないように
- 周囲の状況、風向きに注意し対象作物以外に散布しない
この3つは基本です。
正規のルートで販売されている野菜、果実類は市場、JAで検査してあるはずです。私も抜き打ちでチェックされます。万が一検出された場合は出荷停止となります。
最後に
体調が悪ければ薬を飲んで回復する。健康に過ごせる環境をつくる。
植物も同じです。適切に農薬を使用し、健全な栽培をしましょう。
家庭菜園などでも同じですので、楽しい農業ライフを!