育苗とは?
ずばり苗を育てること。そのまんまですね。
「種蒔いたら簡単じゃない?なんでわざわざめんどくさい事するの?」
アメリカなどは、水田に直接種を撒いてますよね。日本でも「直播(じかまき)」と言って、種子に特殊なコーディングをして栽培する方法もあります。
育苗のメリット
- 作物の発芽は、気象、雑草、病気などの環境に影響を受けやすい。
- ハウスなどで加温することにより、成長が早い。
- 圃場環境が整った状態、気温で移植すれば収穫も早くなる。
種を蒔いた後に雨が降らない、結果発芽したのは5割・・・そういう事態が発生するときもあります。
失敗した時間を取り戻すのは困難です。それならば、最初から手間と時間をかけて育苗を選んだほうがいい、という判断になります。
苗作りの実際
当農園では、三年前よりハウスを使ったプール育苗を行っています。
以前は折衷苗代(せっちゅうなわしろ)
ハウスプール育苗のメリット
「完成された育苗方法」現時点ではそう感じています。
- 苗を搬入するとき、足場の悪い田んぼの中に入らなくてよい。(労力軽減)
- 水は水路からポンプで組み上げるだけ。溜めるだけでよいので、水掛けを丁寧にする必要がない。
- 反射シートと組み合わせると、発芽までやける心配がない。
- 暑い時は冷たい水を、寒い時はハウスを閉めてたっぷりの水で保温。
折衷苗代をしていた時は労力がかかって大変でした。温度が上がるとビニールを切って熱を逃がすのですが、一回切ってしまうとまた被幕するのは困難です。
自分の狙った通りに温度コントロールができるので、ずんぐりした苗ができます。
こちらの本が参考になります↓
失敗してしまった!?
5月。育苗真っ盛りの時期です。近年急に真夏日になるような時があります。こんな時に聞こえてくるのが、「苗やけ」
苗がなければ稲作ができない。買うと一箱700円前後。経営にも響きます。
私も失敗した経験があります。
暑い日が続いたから急いで切ったのに、今度は寒くなってしまった。
シビアな管理ができません。結果、ちんちくりんな苗に一部なってしまい、収量も下がってしまいました。
その反省から、250万ほどかかりましたがビニールハウス二棟を建設しました。
病気も恐ろしい。種子の消毒はするのですが、高温、湿度の管理が悪く病気になると枯れてしまう事もあります。高温はとにかく注意です。
いい苗をつくるために
春作業は一つ一つ丁寧にすることです。種子消毒、浸種時間、温度。
最初から苗を伸ばそうとすると、田植えのときにはひょろひょろになってしまった。できるだけ伸ばさないように、管理します。
暑い日は昼に水を入れる事で、徒長を防ぐ。ある程度大きくなって、霜がおりる心配なければ夜もハウスを開放する。
そうすると、根っこもビシッと張ったずんぐり苗ができます。
いい苗は田植え後の成長も著しい。収量も増えます。
私も、毎年毎年研究して、いい苗作れるようにがんばります。
こちらに播種の具体的な様子を載せています↓ご覧下さい。